訪問リハビリテーションきんかい(言語聴覚士部門)では鳥取県西部圏域において、コミュニケーション障害(失語症や構音障害、加齢性難聴など)、嚥下障害を対象に、周囲と意思疎通ができ外出機会が増える、いつまでも口から食べ続け美味しいものを「おいしい!」と言ってもらえる支援を行っております。
当事業所の特色として、コミュニケーション支援では鳥取県失語症支援センターや補聴器専門店との連携、口から食べる支援では在宅歯科医や訪問管理栄養士との連携に注力しております。
2021年12月現在、ST3名で66名のご利用者に訪問しております。
その中でも失語症支援は年々増加しており全体の5割を占めております。
また昨年は2件の加齢性難聴に対し、認知言語機能評価、実用的評価、環境調整(家族指導助言含む)をSTが行い、㈱トーシン実業(認定補聴器技能者を有する販売店)と連携し適した補聴器装用を実現しました。
難聴は一般的に50歳頃から始まり、65歳を超えると急増するといわれています。
その頻度は、60歳代前半では5~10人に1人、60歳代後半では3人に1人、75歳以上になると7割以上との報告もあります。
厚生労働省は2015年、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定しており、その中で認知症の危険因子として「加齢、遺伝性のもの、高血圧、糖尿病、喫煙、頭部外傷」に加え、「難聴」を挙げております。
高齢化が進む今、認知症予防は大変重要であり、補聴器装用等の支援に貢献していく必要があります。
当院でも平成29年度に補聴器勉強会を開催し、研鑽を重ねております。
既にコミュニケーション障害や認知機能低下を有している場合には補聴器適合までに慎重な対応が必要です。
生活の中での補聴器の必要性、実用性を評価し本人家族へ助言できるリハビリ職だからこそSTの活躍が一助になると考えます。
写真:補聴器勉強会
訪問リハビリテーションきんかい(錦海リハビリテーション病院)・佐藤
訪問リハビリテーションきんかい